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Webディレクター/デザイナーtakasyiのシネマアーカイブ。単純に観た映画を覚えとく手段のひとつになるメモ書き程度のテキスト。休みの前の日に、夜中遅くまで映画観るのとかたまらんですよね。

ドラゴン・タトゥーの女 / The Girl with the Dragon Tattoo

The Girl with the Dragon Tattoo

4

2011年 / アメリカ
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:スティーヴン・ザイリアン
出演:ダニエル・クレイグ / ルーニー・マーラ / クリストファー・プラマー / スティーヴン・バーコフ / ステラン・スカルスガルド / ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン / ベンクトゥ・カールソン / ロビン・ライト / ゴラン・ヴィシュニック / ジェラルディン・ジェームズ / ジョエリー・リチャードソン

原作となるスティーグ・ラーソンの世界的ベストセラー・ミステリー3部作の1作目も、2009年に公開されたスウェーデン版『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』も、どちらも経ずに今回のフィンチャー版を観ることになったんですが、単純にイメージが一新した前回の『ソーシャル・ネットワーク』を撮ったあとのフィンチャー作品というところに、鑑賞の大きなモチベーションがありました。加えて“誰がハリエットを殺したのか?”などというアプローチで来られると、さらに構えてしまう感覚が先行しがちです。もちろん原作を知らないというのも多いにあるけど、良い意味で期待は裏切られたってところでしょうか。

とりあえず「最近観た恋愛映画でいいのある?」とか聞かれたら、コレをすすめようかと思いました。変態は何人か出てくるけどね。

それにしても、ドラゴン・タトゥーの女ことリスベット演じるルーニー・マーラ。『ソーシャル・ネットワーク』の冒頭で、一方的にしゃべり倒すマークの話を聞いてる娘が、こんな風になるとは思ってもみなかった。彼女のまさに“体当たり”の演技には終始魅せられます。しかも今回はマーク・ザッカーバーグが一目置きそうなくらいの(?)ハッカー少女なのもツボでした。

上映時間は160分近く。フィンチャー作品はどれもその長さをまったく感じさせない構成力がひとつの魅力でもありますが、今作でも一定の緊張感は常に保たれたまま鑑賞できました。

そしてやっぱり触れずにはいられないモザイクの件。ストーリー上、盛り上がりを見せる部分でのあのモザイク挿入は一気に現実に引き戻され「劇場でみんなでAV見てまーす」みたいな空間に叩き込まれる。理由なんざほぼほぼ察しがつくけど、もっとやり方あるだろう。なぜこういう雑な配給ができるのか残念でしょうがない。映画を愛してくれ。

ヒミズ

ヒミズ

4

2011年 / 日本
監督:園子温
脚本:園子温
出演:染谷将太 / 二階堂ふみ / 渡辺哲 / 吹越満 / 神楽坂恵 / 光石研 / 渡辺真起子 / 黒沢あすか / でんでん / 村上淳 / 諏訪太朗 / 堀部圭亮 / 川屋せっちん / 窪塚洋介 / 吉高由里子 / モト冬樹 / 西島隆弘 / 鈴木杏

“素晴らしい青春映画”と“いつまでも心に残る映画”が同時に2つ誕生した。染谷将太と二階堂ふみのスクリーンから溢れ出さんばかりのエネルギッシュなラストシーンがあまりにも胸に突き刺さりすぎて、しばらくどうすることもできずに劇場の椅子から動けなかった中、そんな風に感じていました。

園子温監督初となる原作ものとなって、古谷実×園子温の『ヒミズ』が生まれたわけだけど、撮影中に東日本大震災が起きたことで、原作に基づいて用意していたシナリオを描き直したという。ここが大きなポイントとなっているのは言うまでもないけど、10年前の『ヒミズ』ではなく、2012年の『ヒミズ』になっている。若い男の子と女の子が直面する葛藤や悩みの行く末を爆発させる青春映画の本質に触れると同時に、今の日本やこれからを背負って立つ若者に向けて、映画という格好でこれ以上ないメッセージを届けていると強く思いました。

「がんばれー!」という、日常的で既にありふれてるはずの言葉が、これほどまで力強く響き渡るものなのか。しつこいようだけど、“園子温版”の住田と茶沢のクライマックスでのランは、そういう意味で破壊力がありすぎて、余韻からなかなか抜け出せません。

『愛のむきだし』や『冷たい熱帯魚』などなど、園作品には“言葉にならない圧倒的な描写力と演技力”で打ちのめされることが多いけど、もはや彼の作品には欠かせない俳優さんたちの表現力も素晴らしかった。でんでんしびれた。光石研しびれた。

そんなたくさんの豪華な個性派に囲まれ、よりいっそう主役の2人が強烈に映ったということもあるだろうけど、染谷将太と二階堂ふみは第68回ヴェネチア国際映画祭で最優秀新人俳優賞をダブル受賞したことは深くうなずける。

八日目の蝉

八日目の蝉

4

2011年 / 日本
監督:成島出
脚本:奥寺佐渡子
出演:井上真央 / 永作博美 / 小池栄子 / 森口瑤子 / 田中哲司 / 渡邉このみ / 市川実和子 / 吉本菜穂子 / 相築あきこ / 別府あゆみ / 余貴美子 / 平田満 / 風吹ジュン / 劇団ひとり / 田中泯

永作博美でしょう、やっぱり。小池栄子も素晴らしかったです。

メカニック / THE MECHANIC

THE MECHANIC

3

2011年 / アメリカ
監督:サイモン・ウェスト
脚本:リチャード・ウェンク / ルイス・ジョン・カリーノ
出演:ジェイソン・ステイサム / ベン・フォスター / ドナルド・サザーランド / トニー・ゴールドウィン / ジェームズ・ローガン / ミニ・アンデン / ジェフ・チェイス / クリスタ・キャンベル

ジェイソン・ステイサムは強すぎてカッコ良すぎて決まりまくってていいんですが、他のこの手の作品とあまり差別化できていない印象。

ピラニア 3D / PIRANHA 3D

PIRANHA 3D

3

2010年 / アメリカ
監督:アレクサンドル・アジャ
脚本:ピーター・ゴールドフィンガー / ジョシュ・ストールバーグ
出演:エリザベス・シュー / アダム・スコット / ジェリー・オコンネル / ヴィング・レイムス / ジェシカ・ゾー / スティーヴン・R・マックイーン / ケリー・ブルック / リカルド・アントニオ・チャビラ / ディナ・メイヤー / ポール・シェアー

エロ、グロ、ピラニア。たまにはいいもんです、こういうノリのも。いい映画だと思います。