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Webディレクター/デザイナーtakasyiのシネマアーカイブ。単純に観た映画を覚えとく手段のひとつになるメモ書き程度のテキスト。休みの前の日に、夜中遅くまで映画観るのとかたまらんですよね。

世界侵略:ロサンゼルス決戦 / WORLD INVASION: BATTLE LOS ANGELES

WORLD INVASION: BATTLE LOS ANGELES

2

2011年 / アメリカ
監督:ジョナサン・リーベスマン
脚本:クリストファー・バートリニー
出演:アーロン・エッカート / ミシェル・ロドリゲス / ラモン・ロドリゲス / ブリジット・モイナハン / Ne-Yo / マイケル・ペーニャ / ルーカス・ティル / アデトクンボー・マコーマック

ミシェル・ロドリゲスがいたからもってたようなもん。

スーパー! / SUPER

SUPER

4

2010年 / アメリカ
監督:ジェームズ・ガン
脚本:ジェームズ・ガン
出演:レイン・ウィルソン / エレン・ペイジ / リヴ・タイラー / ケヴィン・ベーコン / ネイサン・フィリオン / グレッグ・ヘンリー / マイケル・ルーカー

まさに劇中に出てくる“コマとコマの間”を、痛々しく荒々しく哀しさも残すように表現した一本でした。冴えない夫フランク(レイン・ウィルソン)とセクシーでイカれたジョック(ケビン・ベーコン)のビジュアルとキャラが絶妙のバランス。両者が卵料理を食べてたシーンなんかはドキドキしました。クリムゾンボルトの相棒になりたくて必死なボルティーを演じたエレン・ペイジも最高じゃないですかコレ。

ジェームズ・ガン監督が話す“ぶっ飛んでいる”とか“道徳的に見て怪しい”という部分の表現で好みも分かれるところでしょうが、実際にひょんなことをキッカケに“スーパーヒーロー”に憧れて行動したら、こんな具合になるだろうっていうリアルさがある。列に割り込んでくるヤツを半殺しにするとか、正義という名のもとでとった行動とはいえ、一歩退けば“狂気”になる。

その“狂気”という名の火に油を注いだのが相棒のボルティーで、ジョックの館に乗り込むクライマックスでは壮絶なバトルが繰り広げられる。

そしてあのエンディング。“スーパーヒーロー”を志した者が進む道は、ああいうものなのかもしれません。

話題をかっさらった『キック・アス』に便乗したパチもんなんじゃねーの?的なイメージが先行しがちではありますが、まったく異なるアプローチでとてつもなく面白かった。繰り返し観たいヒーロー映画の1つになりました。

さや侍

さや侍

4

2011年 / 日本
監督:松本人志
脚本:松本人志
出演:野見隆明 / 熊田聖亜 / 板尾創路 / 柄本時生 / りょう / ROLLY / 腹筋善之介 / 清水柊馬 / 竹原和生 / 伊武雅刀 / 國村隼

見終わった直後の感想として一言挙げるなら、“心から愛を感じる映画”でした。変化が激しい松本人志監督の作品では一番“わかりやすい”映画とも言えるだろうと思う。

「笑い」は「哀しさ」と表裏一体という部分を、笑いを取れなかったら腹を切らなきゃいけない「三十日の業」というものに位置付け、クライマックスでは自身の環境の変化からくる想いを感動的な手紙にして詠み上げた。主演の素人のおっさん野見隆明が直前で見せた迫真の演技で大きな振り幅があった分、より直接的に訴えかけられた印象です。

この野見隆明という男は、2002年10月にスタートしたフジテレビ「働くおっさん人形」で登場した素人のおっさんである。続編となる「働くおっさん劇場」でも強烈な笑いとインパクトを与え、笑いを追求し続ける松本人志が「世界で一番面白いヤツって、世界で一番面白くないヤツなんじゃないか」と話したことはとても印象的だった。

自らは初めて監督業に徹した3作品目の映画の主演に、この“世界で一番面白いヤツって、世界で一番面白くないヤツ”が決まったのを知ったときから、ずっとわくわく感が抑えきれなかった。

先入観、もしくはそこを裏切りたいという想いが少しあるのか、不思議なものでオープニングで“さや”をしっかり持って森を駆ける野見隆明は、紛れもなく野見勘十郎を演じている俳優としての野見隆明に映っていて、背筋がゾクゾクッとした。

そんな印象を与えた冒頭のシーンでも野見隆明本人は「ただその場で走ってと言われたから」というのだけで演じたという。そんな舞台裏の話も入ってくると、ビジュアルイメージが高い意識の部分で合致したかのような、いかにあの映像がスゴイということがわかる。

シリアスマン / A SERIOUS MAN

A SERIOUS MAN

4

2009年 / アメリカ
監督:ジョエル・コーエン / イーサン・コーエン
脚本:ジョエル・コーエン / イーサン・コーエン
出演:マイケル・スタールバーグ / リチャード・カインド / フレッド・メラメッド / サリ・レニック / アーロン・ウルフ / ジェシカ・マクマナス / アダム・アーキン / エイミー・ランデッカー / フィヴァッシュ・フィンケル / アレン・ルイス・リックマン

超一流のキャストを並べたド派手なブラックコメディ『バーン・アフター・リーディング』に続く『シリアスマン』では、主演に映画界ではほぼ無名なマイケル・スタールバーグを抜擢し、平凡で真面目な中年ユダヤ人物理学教授ラリー・ゴプニックの転落スパイラルなヒューマンドラマを描く。

『シリアスマン』のベースにはコーエン兄弟の少年期のルーツを辿る要素がある。そこに、憎めないんだけどなんかちょっとイラッとして癖になる各キャラクターであったり、ドミノ倒しのように次々に不条理で厄介なトラブルに巻き込まれたり、背筋が凍るような凶暴なビジュアルを突きつけてきたり、シュールなユーモアをテンポ良く放り込んできたりと彼らの作品では“おなじみ”のシーンもたっぷり盛り込まれている。言わば『シリアスマン』はブラザー・コーエン・パックのようなもので、思う存分楽しめる内容でした。

100年前のポーランドの小話、駐車場の話、歯科医の話、「あなたに起こることすべてをあるがままに受け入れなさい」、サイ・エイブルマン、シュールリアリスティック・ピロー。

ソーシャル・ネットワーク / the social network

the social network

4

2010年 / アメリカ
監督:デヴィッド・フィンチャー
脚本:アーロン・ソーキン
出演:ジェシー・アイゼンバーグ / アンドリュー・ガーフィールド / ジャスティン・ティンバーレイク / アーミー・ハマー / マックス・ミンゲラ / ブレンダ・ソング / ルーニー・マーラ

今やユーザー数が5億人を突破した世界最大のSNS『Facebook』を、わずか19歳にしてハーバード大学寮の一室で始めた天才男マーク・ザッカーバーグの実話に基づいた物語。『Facebook』の創設から発展までを追いながら、時には夢を共に志し、時にはすれ違い、時には争い合うといった、親友エドゥアルド・サベリンをはじめとしたマークを取り巻く交友関係や人間関係にスポットが当たり、創設の裏側にある人間ドラマを描いている。

宣誓供述の場で語らせていくフィンチャー作品としては珍しい会話を主体とした台詞ドラマで(字幕量は2165枚で3秒に1枚の字幕カードだそう)、フラッシュバックでそれぞれのドラマが時間軸を行き来しながら進行する立体的な構成。そこにフィンチャーならではと言ったインパクトの強いオープニングとエンディングがかぶさる。

マークとガールフレンドのエリカが交わす会話をひたすら流し、マークの人となりをある程度認識させるようなオープニングはとても印象的だったし、まさにインターネット上でのソーシャル・ネットワーク化やデジタル生活が加速し続ける現代において、そんな時代を象徴するひとつにもなるようなラストシーンはお見事でした。Facebookに限らず、なにかしらSNSを利用したことがある人にとっては、あのラストはなにか共感できるものがあるんじゃないでしょうか。

この映画はFacebookってのが何なのかまったく知らない人でも、インターネットやパソコンの知識に乏しい人でも充分鑑賞出来るように作られている。新人弁護士が言う「あなたは悪い人ではない。なのに、一生懸命悪人になろうとしている。」という台詞がすべてを物語ってるかのように、“ソーシャル・ネットワーク”という言葉の本質ともなる、“人間同士のつき合いや繋がり”とはどういうものなのか?ということを問われているかのようだ。