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Webディレクター/デザイナーtakasyiのシネマアーカイブ。単純に観た映画を覚えとく手段のひとつになるメモ書き程度のテキスト。休みの前の日に、夜中遅くまで映画観るのとかたまらんですよね。

SUPER8 / スーパー8

SUPER8

4

2011年 / アメリカ
監督:J・J・エイブラムス
脚本:J・J・エイブラムス
出演:ジョエル・コートニー / エル・ファニング / カイル・チャンドラ / イリー・グリフィス / ライアン・リー / ガブリエル・バッソ / ザック・ミルズ / ロン・エルダード

誰もが知っている、誰もが観たことのあるいくつかの名作映画のシーンをついつい重ね合わせて見入ってしまうような、ノスタルジックな部分をやたらと突っついてくる。また、対照的に、それらをまったく知らない子供たちが観たとしても素直に充分楽しむことができる。この両面を兼ね備える映画なんて、そうはないし、そうは作れない。

J・J・エイブラムスが8歳のときに手にして撮影を楽しみ、映画作りに目覚めさせたカメラ“SUPER 8”。同じ頃にスティーヴン・スピルバーグ監督の作品をいくつも観て、大きな影響を受けていたという。のちにこうして共に映画を作ることになるが、『SUPER 8』はJ・J・エイブラムスが『JAWS』『未知との遭遇』『E.T.』『グーニーズ』『宇宙戦争』などなどのスティーヴン・スピルバーグ監督作品へのオマージュを捧げまくっている、オマージュ詰め合わせパックのような映画となっている。

ストーリーや全体的な構成は『E.T.』にとても似ていて、『グーニーズ』を感じさせるようなシーンとか、そういう部分の感情なんてコントロールできないから、本当にたまらなかったです。しかも露骨(モロだったのもあるけど)にではなく、やさしく、ほどよく、なんとなく。この辺のバランスの取り方は素晴らしいんじゃないかと感じました。必死にチャリをこいで街を駆け抜けたくなりました。

もしかしたら世界のどこかで8ミリカメラの魅力に取り憑かれ、『SUPER 8』を観て大きな衝撃を受けている少年がいるかも知れない。J・J・エイブラムス、そしてスティーヴン・スピルバーグがそうであったように、映画として後世に伝わっていくであろう瞬間を肌で感じることができたような一本でした。チャールズ監督の可愛いゾンビ映画も必見。

観客が事前にいろいろ知りすぎるのは映画にとっていいことではないと考えるJ・J・エイブラムスは、製作として携わった『クローバーフィールド』を思い起こさせるような手法で情報を拡散させ、公開ギリギリまで徹底的に隠すスタイルをとった。

激しい列車事故が起こり、最後のカットでは貨物を何かが突き破ってくるかのような描写で締めくくったトレーラーを初めて観たときは、これはまたヤバそうなのが公開されるんだなと鼻息も荒くなったけど、フタを開けてみればこの内容で、とてもじゃないけど思ってもみなかった。エイリアン自体は『クローバーフィールド』のそれにそっくりなんじゃないか、ってのは頭をよぎったけど、まさかあんな瞳で見つめられることになるとは思ってもみなかった。

BIUTIFUL / ビューティフル

BIUTIFUL

5

2010年 / スペイン=メキシコ
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ / アルマンド・ボー / ニコラス・ヒアコボーネ
出演:ハビエル・バルデム / マリセル・アルバレス / エドゥアルド・フェルナンデス / ディアリァトゥ・ダフ / チェン・ツァイシェン / アナー・ボウチャイブ / ギレルモ・エストレヤ / ルオ・チン

舞台はバルセロナ。華やかなイメージの裏には、スペインの大都市が抱える社会問題の中で生きる人々の生活があり、厳しい現実がうごめいている。そんな中で末期がんで余命2ヶ月を宣告されながらも2人の子供と共に生きている父親ウスバル(ハビエル・バルデム)を取り巻くヒューマンドラマとなっている。

『ノーカントリー』で狂ったようにサイコ野郎を演じきったハビエル・バルデムが、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の元でどんな化学変化を起こすのか!?って部分にすごく興味があったんだけど、とにかく彼の一挙手一投足が素晴らしくて、運命という闇の中でもがき苦しみ生きようとする主役を見事に演じた。この映画に出るために俳優になったんじゃないかと思わせるくらいの演技に胸を打たれました。

ウスバルは非常に責任感の強い男だ。生きる糧として犯罪にも手を染めてはいるものの、ビジネスパートナーとして真剣につき合い、思いやりを持って接することができる男だ。しかし、そういう性格が故に...という一言で片づけてしまっては忍びないくらいの恐ろしい大事故が起きてしまう。

物語として大きなポイントでもあり、そこからラストにかけてそれぞれの“運命”を決定付けるかのような出来事となる。観る者も目を背けたくなるような描写が続くのだが、このときウスバルがバルセロナの夕陽と鳥たちと共に描かれるシーンが訪れる。ここで不思議なことに異常なまでの“美しさ”を感じた。今までのウスバルの生き様、気が滅入る事故の描写を対比してくれと言わんばかりの、とてつもなく遠くに位置するかのような“美しさ”を感じた。

鑑賞後にじっくり振り返れば振り返るほど、ウスバルとサグラダ・ファミリアの遠景とバルセロナの夕陽の印象が増してくる。このへんにアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの映像作家としての計り知れない魅力があるのだろう。

SOMEWHERE

SOMEWHERE

4

2010年 / アメリカ
監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
出演:スティーヴン・ドーフ / エル・ファニング / クリス・ポンティアス / ララ・スロートマン / クリスティーナ・シャノン / カリサ・シャノン / アマンダ・アンカ / エミリー・ケンパー / ミシェル・モナハン / ベニチオ・デル・トロ

90年代、ロックスターや俳優が荒らしたという話が聞こえてくる伝説的なホテル“シャトー・マーモンド”ですさんだハリウッドセレブ生活を送る俳優の父と、ティーンエージャー一歩手前の娘が過ごすかけがえのない日々を描いたハートフルドラマ。脳裏にオーバーラップするのは『ロスト・イン・トランスレーション』だけど、今作でも孤独にうつろう男の心を繊細に映し出した。

ソフィアはオリジナル脚本を映画化した『ロスト・イン・トランスレーション』と『SOMEWHERE』の2作について、原作を映画化した作品に比べて、よりパーソナルな作品になっていると話している。一般的に華やかなイメージが先行しがちなセレブな生活の本当の姿の一部を表してるのかもしれない。

そういった要素があるだけに、ソフィアが描くシーンの独特の間だったり、些細なセリフ・仕草や事柄だったり、すべてのシーンが山場のように感じる。スローなテンポをまったく感じさせない。特にオープニングはずっと脳裏に焼きつきそうな、とても印象の強いものだった。

“空っぽ”なジョニー・マルコを演じたスティーヴン・ドーフ、すごく良かったんじゃないかと思います。カメオ出演であのお方が。あとクレオを演じたダコタ・ファニングの妹であるエル・ファニングが可愛すぎた。

TUNAMI -ツナミ- / HAEUNDAE

TUNAMI -ツナミ-

2

2009年 / 韓国
監督:ユン・ジェギュン
脚本:ユン・ジェギュン
出演:ソル・ギョング / ハ・ジウォン / パク・チュンフン / オム・ジョンファ / イ・ミンギ / カン・イェウォン / キム・イングォン

高さ100m、時速800kmの“メガ津波”。そんなコピーでプロモーションしてるんだから、パニックパニックした津波の襲来を期待し、巨大な波や海水をどういう風に表現してるのかがずっと気になってましたが、フタを開けてみると各キャラのエピソード多し。子供が転けて助けに戻ったお父さんが蛇に睨まれたカエル状態になるシーンは鳥肌立ちました。橋の上で一服しようとした兄ちゃんのせいでもっと犠牲者が出てたハズ...。

THIS IS IT

THIS IS IT

5

2009年 / アメリカ
監督:ケニー・オルテガ
出演:マイケル・ジャクソン

最高のエンターテイメントでした。ありがとう、マイケル。