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Webディレクター/デザイナーtakasyiのシネマアーカイブ。単純に観た映画を覚えとく手段のひとつになるメモ書き程度のテキスト。休みの前の日に、夜中遅くまで映画観るのとかたまらんですよね。

アンノウン / UNKNOWN

UNKNOWN

3

2011年 / アメリカ=ドイツ
監督:ジャウマ・コレット=セラ
脚本:オリヴァー・ブッチャー / スティーヴン・コーンウェル
出演:リーアム・ニーソン / ダイアン・クルーガー / ジャニュアリー・ジョーンズ / エイダン・クイン / ブルーノ・ガンツ / フランク・ランジェラ / セバスチャン・コッホ / オリヴィエ・シュニーデル

なるほどなるほど、そういうことになるんですか。

ハリスの危機回避能力が尋常じゃないあたりからぷんぷん臭ってはきたものの、疑問にもなっていたいくつかある伏線もきちんんと繋がっていって楽しめました。

事故って断片的にしか記憶がなくて、自分のことを知ってるはずの周りの人間に「お前なんか知らねーよ」と言われ続け、アイデンティティを失っていく序盤でハリス同様の疑似体験と感情移入をさせつつの中盤〜終盤はうまい構成だなと。
鑑賞後に冷静に振り返るとなかなかのムチャクチャ設定に思うけど、劇中ではあまりそういう面を感じずにさくっと観られる2時間。前の奥さんも新しい奥さんもキレイでした。

まぁ、なにはともあれ、空港に忘れ物だけはしたくないところです。っつうか、組織の中でもデキるヤツが、あんな大事なもん忘れんなよ。

エッセンシャル・キリング / ESSENTIAL KILLING

ESSENTIAL KILLING

4

2010年 / ポーランド=ノルウェー=アイルランド=ハンガリー
監督:イエジー・スコリモフスキ
脚本:イエジー・スコリモフスキ / エヴァ・ピャスコフスカ
出演:ヴィンセント・ギャロ / エマニュエル・セニエ / ザック・コーエン / イフタック・オフィア / ニコライ・クレーヴェ・ブロック / スティッグ・フローデ・ヘンリクセン

この映画の主人公となるムハンマド(ヴィンセント・ギャロ)のセリフは一切ない。83分間ひたすら生死の境目をふらふらしながら逃げ惑う。大胆な構成ながら、この83分間のパフォーマンスは素晴らしい。

アフガニスタンの大地、耳に残るヘリの音、美しくもあり痛々しくも映る雪山、どれもがダイレクトに突き刺さる。よく聞くサバイバル・アクションという言葉からはなかなか想像もつかないけど、どちらかと言えばノンフィクションでありドキュメンタリーである。

イエジー・スコリモフスキ監督は“ここでは主人公のアクションは英雄的ではない”と話している。極限状態のムハンマドが生き残るためにとる本能の行動の数々がそれぞれ大きな見せ場のひとつにもなっている。“ESSENTIAL KILLING=絶対に必要な殺し”というタイトルを深々と考えざるをえないようなクライマックスもとても印象的でした。

イエジー・スコリモフスキ監督から“動物の強さを表現できる俳優”と言われたヴィンセント・ギャロの演技はお見事でした。

特に印象に残ったのは、護送車が事故を起こしていったんは逃亡を図るものの、裸足で雪山は辛すぎるぜ!と戻ってきてブーツを奪うシーンと、カラカラに乾いた喉を潤そうと母乳を飲むシーン。確かにあんな映像はヴィンセント・ギャロじゃなきゃ誰で撮るんだってくらいの迫力でした。

あの夏の子供たち / LE PERE DE MES ENFANTS

LE PERE DE MES ENFANTS

4

2009年 / フランス
監督:ミア・ハンセン=ラヴ
脚本:ミア・ハンセン=ラヴ
出演:キアラ・カゼッリ / ルイ=ド・ドゥ・ランクザン / アリス・ドゥ・ランクザン / アリス・ゴーティエ / エリック・エルモスニーノ / マネル・ドリス / イゴール・ハンセン=ラヴ / サンドリーヌ・デュマ / ドミニク・フロ / ジャムシェド・ウスマノフ

パリで映画製作会社ムーン・フィルムを経営するプロデューサーのグレゴワール。「携帯電話と結婚すれば?」と言い放たれそうなくらいの仕事人間なんだけど、週末に娘3人と妻と過ごす時間は大切にするお父さん。

そんな仕事と家族の様子が丁寧に交互に描かれる前半だが、いっこうに進まない撮影でかさむ製作費や多額の借金、未完成の映画も残したまま、思い詰めたグレゴワールは自殺してしまう。

そこから対照的に後半にかけて、どこか力強さも感じるかのように描かれていてる。「死は人生の数あるできごとのひとつ」と長女に話す奥さんシルヴィアの言動は特に必見。

そして最後に流れる「ケ・セラ・セラ」があまりにも印象的。ムーン・フィルムの事務所がカッコ良すぎる。

アンストッパブル / UNSTOPPABLE

UNSTOPPABLE

4

2010年 / アメリカ
監督:トニー・スコット
脚本:マーク・ボンバック
出演:デンゼル・ワシントン / クリス・パイン / ロザリオ・ドーソン / イーサン・サプリー / ケヴィン・ダン / ケヴィン・コリガン / ケヴィン・チャップマン / リュー・テンプル

トニー・スコットの「サブウェイ」に続く実話を元にした列車ネタ。トニー&デンゼルのコンビは列車がお好きなようで。

デンゼル・ワシントンとクリス・パインの2人が男臭さを漂わせながら暴走列車を止めようと必死にあれこれもがく様はなかなかの迫力と緊張感で手に汗握りました。この内容で90分ちょっとにうまくまとめちゃうのもさすがだなぁ。映画としてしっかり計算できる一本と思います。

それにしてもこの大事故のキッカケとなったアレって...。得てしてそんなもんなのかもしれないけど。

アウトレイジ

アウトレイジ

3

2010年 / 日本
監督:北野武
脚本:北野武
出演:ビートたけし / 椎名桔平 / 加瀬亮 / 小日向文世 / 北村総一朗 / 塚本高史 / 板谷由夏 / 中野英雄 / 杉本哲太 / 石橋蓮司 / 國村隼 / 三浦友和 / 渡辺奈緒子

ちょっとしたことをキッカケに組織がバタバタと崩れゆく全員悪人なヤクザ映画。したたかさがキラリと光り、英語も喋れる頭脳派ヤクザ演じた加瀬亮がすごく良かった。
「どうやって人を殺そうかというプロセスを先に考え出し、それに対しストーリーを後付けした」というだけあってバイオレンス描写にはこだわりを持って作られてるので、そりゃまあみなさんいろんな殺され方されちゃってます。國村隼の殺され方(あっかんべー)が強烈だった。全体を通してのヤクザとしての立ち回りっぷりが際立った椎名桔平の最期は音が印象に残ったなぁ。