アリス・イン・ワンダーランド / ALICE IN WONDERLAND

ALICE IN WONDERLAND4

2010年 / アメリカ
監督:ティム・バートン
脚本:リンダ・ウールヴァートン
出演:ミア・ワシコウスカ / ジョニー・デップ / ヘレナ・ボナム=カーター / アン・ハサウェイ / アラン・リックマン / マイケル・シーン / クリストファー・リー

「小さな女の子が奇妙なキャラクターの言いなりになって彷徨い歩くだけのストーリーにはあまり魅力を感じない」とティム・バートンが言い放ち、「原作のアイデアを使って、根底にあるスピリットを描くこと」に狙いを定め、「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」からエピソードやキャラクターなどのエッセンスを引き出し、丸っとそのままティムのポップかつ毒々しい世界観をぶち当てた。
そんな彼のセンスが炸裂しつつ、キーとなってくるのは"19歳のアリス"、"アリスの心の成長"、"赤の女王と白の女王の対立構造"などが挙げられるが、ワンダーランドで繰り広げられる冒険活劇はストーリーも複雑化はさせずにいたってシンプル。「でもここの面白いところは、あらゆるところがほんのちょっとだけズレているところにある」とティムも語るように、アリスがワンダーランドで子供と大人の境目をもがいてる一方で、観客もいわば"不思議な世界"に招待されるかのよう。
IMAXシアターで3D鑑賞だったわけですが、衣装デザインのマジックにかかるだけでもお腹いっぱいになっちゃう人も多いんじゃないでしょうか。特に身体が小さくなったり大きくなったりするアリスの衣装は必見と思います。白の女王演じたアン・ハサウェイも文字通り真っ白でキレイでした。


第9地区 / DISTRICT 9

DISTRICT 94

2009年 / アメリカ=ニュージーランド
監督:ニール・ブロンカンプ
脚本:ニール・ブロンカンプ / テリー・タッチェル
出演:シャールト・コプリー / デヴィッド・ジェームズ / ジェイソン・コープ / ヴァネッサ・ハイウッド / ナタリー・ボルト / シルヴァン・ストライク / ジョン・サムナー

1982年に南アフリカの首都ヨハネスブルグの上空に立派な巨大宇宙船が飛来。こりゃ大変だ!ってことで意を決して偵察隊を送り込むも、実は宇宙船壊れちゃってしょーがなくここに来ちゃったんですけどね、どーしたらいいですかね?なんとかなりませんかね?的な、疲れきったエイリアンたちがうじゃうじゃと。
そもそも「エイリアン」と聞くとまずイメージしちゃうのが、デカくて凶暴で貪欲にどこまでも襲いかかってきて、血液が強力な酸で出来てるあのエイリアンなんですが、そんなイメージとはかけ離れてるのが第9地区で生活するエイリアンたち。
見た目としては、これまたエイリアンと聞くとイメージしがちなプレデターをプレス機で1回潰しちゃったあとに、エビとかカニなんかの甲殻類系をドッキングさせたような感じ。
何日も風呂(?)に入ってないから臭いヤツもいれば、酔っ払ってゲロしちゃうヤツもいる。車のタイヤやら何でも食うかと思いきや猫缶が大好物で、隙を見て盗もうとしたりするヤツもいれば、逆にエサにされてまんまと誘いに乗っちゃったりするヤツもいる。 そもそも仮設住宅に"いったん"住まわせちゃいましょうってところがもう持ってかれる要素として大きかったんですが、構成として関係者のインタビューを交えたフェイクドキュメンタリーで描かれてるのもさらに拍車がかかって良かったです。
そんな悪ノリみたいな設定とは裏腹に、"差別"という社会問題がSFの舞台で容赦なく展開され、観る側にドンと突きつけてくる。たとえそれがフィクションのエイリアンでも目を背けたくなるような表現が導入部分に多数出てくる。
主人公ヴィカスもあからさまにエイリアンを"差別"する側の人間だったが、物語が進むにつれ心境の変化が起こり、それもどこかデジャヴな感覚を覚えた。彼が妻を大切に想う気持ちと同様に、エイリアンも子供を愛してる。


シャッター アイランド / SHUTTER ISLAND

SHUTTER ISLAND4

2009年 / アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
脚本:レータ・カログリディス
出演:レオナルド・ディカプリオ / マーク・ラファロ / ベン・キングズレー / ミシェル・ウィリアムズ / エミリー・モーティマー / マックス・フォン・シドー / パトリシア・クラークソン / ジャッキー・アール・ヘイリー / イライアス・コティーズ

ディカプリオ、良かったです。なんていうか、安心感のある演技とでも言ったらいいのか、"テディ"というあの難しい役回りを自分のものにしてたなぁーと感じました。
と同時に感情移入も出来て、結果的に"テディ"は"どうすることもできない、やりきれない、切なすぎる男"で、最後は自らの意志で行く末を"選択"をすることになるんだけど、そこまでテディの身になって考えることができて楽しめた。
テディの素性が明らかになってからラストにかけてがうまく演出されてるなと感じました。これがネタバレでーす!ドーン!どーでした?で決して終わりじゃない。もっと言うと、ここからが本番です的な。サスペンス的な要素で引き込ませ、舞台背景やロケーションからゴシックホラーの要素も盛り込まれつつのヒューマンドラマなんだなと。
そういう意味ではあのラストは「衝撃」になってくる。どれだけ彼を不憫だと感じたか。「モンスターとして生きるか、善人として死ぬか。」


ハートロッカー / THE HURT LOCKER

THE HURT LOCKER4

2008年 / アメリカ
監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
出演:ジェレミー・レナー / アンソニー・マッキー / ブライアン・ジェラティ / レイフ・ファインズ / ガイ・ピアース / デヴィッド・モース / エヴァンジェリン・リリー / クリスチャン・カマルゴ

2004年、イラクはバグダッドで任務に就くアメリカ軍爆発物処理班の話。ほとんどドキュメンタリータッチで描かれる戦場は"爆発物がいつどこで爆発するかわからない"感を見事に演出していて、常に一定の緊迫感がみなぎるままエンドロール。たまに挿入されてるスローモーションの映像がたまらんかったです。
冒頭で出てくる「戦争は麻薬のようなものである」というメッセージが物語を構築するように、爆発物にハマっちゃってもうどうしよもなくなっちゃった男もいたりするんです、男ってコレだから困りもんだわー、という部分にフォーカスされつつ、恐怖、狂気、孤独などと同時に戦場においてのヒロイズムとその代償を投げかけている。
そしてやっぱり脱帽なのが、男のハードボイルドな生き様を表現する女性監督キャスリン・ビグロー。873個の爆弾を処理してその部品を集めるのが趣味とか、「大人になったら好きなものはひとつふたつしか残らない。おれの場合はひとつだ。」とか、家に帰ってきたかと思ったらまた期間365日で任務に出ちゃって、すべてを物語るかのような後ろ姿とか、もう男臭くてしょーがない。素晴らしいよビグロー!


2012

20123

2009年 / アメリカ
監督:ローランド・エメリッヒ
脚本:ローランド・エメリッヒ / ハラルド・クローサー
出演:ジョン・キューザック / キウェテル・イジョフォー / アマンダ・ピート / オリヴァー・プラット / タンディ・ニュートン / ダニー・グローヴァー / ウディ・ハレルソン / モーガン・リリー / ジョン・ビリングスレイ

映像アトラクションとして楽しめました。ケネディがホワイトハウスに帰ってきちゃってました。ストーリーはぺらんぺらん。


サマーウォーズ / SUMMER WARS

サマーウォーズ4

2009年 / 日本
監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
声の出演:神木隆之介 / 桜庭ななみ / 谷村美月 / 斎藤歩 / 横川貴大 / 信澤三恵子 / 谷川清美 / 桐本琢也 / 佐々木睦 / 玉川紗己子

インターネットやバーチャル、プログラミングなどといった、ある意味ギークな面も出てきたりしたかと思えば、「ちゃんとゴハンは食べてるのかい?」的なあったかい家族愛を感じる面もある。そのバランスがほどよく取れてて身を委ねれたとでもいうのか、終始安定感を感じました。
例えばネットとかアカウントとかアバターって何?とかサーバーは冷やさないといけないとかっていうリテラシーがいっさいない高齢の人でも「家族」というテーマで充分楽しめる。おばあちゃんの手紙でグッと引き寄せられる。その逆もまた然りで、アニメとはいえすごく幅広い層に向けて繊細に作られてる夏休み映画であり、ゴハンを食べたくなる映画。


アバター / AVATAR

AVATAR5

2009年 / アメリカ
監督:ジェームズ・キャメロン
脚本:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン / ゾーイ・サルダナ / シガーニー・ウィーヴァー / スティーヴン・ラング / ミシェル・ロドリゲス / ジョヴァンニ・リビシ / ジョエル・デヴィッド・ムーア / CCH・パウンダー / ウェス・ステューディ / ラズ・アロンソ

未知のクリーチャーや美しい植物や生物、近未来のテクノロジーなど、幻想美と生命力に満ち溢れた惑星パンドラが舞台となるんですが、AVATARはここに尽きると思います。もうホントにこの惑星が存在するとしか思えないくらい。どっからがCGでどっからが実写か、とかっていう次元じゃない。だってもうそこにいるんだから。みんなでパンドラに疑似宇宙旅行しちゃえばいいんだと思いますよ。
その意味でもIMAXデジタルシアター(巨大なフィルムサイズを採用した映写システム+立体音響)での鑑賞は大きいです。なんなんですかこのド迫力ったら。ポップコーンを握った手を口に運ぶところまで脳が追っつきません。
これまでも何回か"3D映画ブーム"はあったし、最近でも"3D"を売りにした作品も公開されてはいるが、このAVATARは「ジュラシック・パークの恐竜の衝撃」的な、いわゆる映画史に残る"事件"となってるのは明らか。監督自身も言うように、これが衣装やメイクなどと同様に組み込まれるようになるのが当たり前になってくる未来も近いのではないかと。製作もそうだけど、設備の充実の両面から見ても。
「映画好き」というのであれば、その転換点を肌で感じて目撃するべき作品と思います。そして可能な限り IMAXで。それが製作サイドの強く望むところだから。


THIS IS IT

THIS IS IT5

2009年 / アメリカ
監督:ケニー・オルテガ
出演:マイケル・ジャクソン

最高のエンターテイメントでした。ありがとう、マイケル。


かいじゅうたちのいるところ / WHERE THE WILD THINGS ARE

WHERE THE WILD THINGS ARE5

2009年 / アメリカ
監督:スパイク・ジョーンズ
脚本:スパイク・ジョーンズ / デイヴ・エッガース
出演:マックス・レコーズ / キャサリン・キーナー / マーク・ラファロ
声の出演:ローレン・アンブローズ / クリス・クーパー / ジェームズ・ガンドルフィーニ / キャサリン・オハラ / フォレスト・ウィッテカー / ポール・ダノ

50年近く前から愛されている絵本の映画化とは言え、それは決して子供向きというわけでもない。むしろ吹き替え版でちっちゃい子が観たとして、"着ぐるみ"や"世界観"のビジュアル以外で楽しめてるのか?という疑問すら抱くほど、人間たちがいる世界同様に、かいじゅうたちの世界もデリケートでいろいろな感情がひしめき合っている。スパイク・ジョーンズが「人間関係の難しさを描いている」と語っているように、見せる表情も繊細かつ多彩だ。
とは言っても少年とかいじゅうたちがやってることは思いっきりダッシュしたり、ジャンプしたり、秘密の基地へ連れて行ったり、泥だんごを投げ合ったりで、一般的に見る"子ども"の遊びだ。
しかし、崖まで走りきったあとの夕陽、泥だんご合戦でアレキサンダーが2回だんごをぶつけられるくだり、マックスの雪合戦が伏線となりキャロルが同じことをリピートするくだりなどなど、そんな子どもの遊びを経て大人になった世代でも思わずグッとくるシーンが多々用意されている。それを大いに感じたのはやっぱりあのラストシーンかなー。


インスタント沼

インスタント沼4

2009年 / 日本
監督:三木聡
脚本:三木聡
出演:麻生久美子 / 風間杜夫 / 加瀬亮 / 相田翔子 / 笹野高史 / ふせえり / 白石美帆 / 松岡俊介 / 温水洋一 / 宮藤官九郎 / 松坂慶子

三木聡ならではの小ネタもちらほら散りばめられつつ、出過ぎた印象もなくてバランスの良さを感じた。コミカルな電気屋のオッサン演じる風間杜夫がスゴい。あと看護士めっちゃ腹立つ。
みんなの理想の折れクギは300円なり。麻生久美子がいろんなコスプレで登場するんでたまりません。「あたしだって、揺れることがあるの。」「うん、大丈びぃー。」「ウルトラスーパーアルティメット勝手だよね!」などなどセリフもグッときます。元気いっぱいな麻生久美子のPVとしても見応え充分!?ハナメと市ノ瀬がアンティークショップに行くシーンがわりとツボです。
「世の中の出来事のほとんどはたいしたことないし、人間泣いてる時間より笑ってる時間のほうが圧倒的に長いし、信じられないものも見えるし、ひとまず寝ればたいていのことは忘れられるのよ!とにかく水道の蛇口をひねれ!そして、その嘘と意地と見栄で塗り固められた、しょーもない日常を洗い流すのだー!」


Page Top