『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督と主演のライアン・ゴズリングが再びタッグを組んだ最新作『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』をヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞してきました。
血の因果を巡る“父と子”物語
この作品で苦労したのは3つの物語をどう連鎖させるかという点だが、同時に血の因果にまつわるひとつの物語としても作り上げなければならなかった。この映画では、僕らが何を選択し、何を後世に残すのかを描いているんだ。
via: デレク・シアンフランス
監督のデレク・シアンフランスと天才的で孤独なライダールーク・グラントンを演じるライアン・ゴズリングは、前作『ブルーバレンタイン』に続く2回目のコラボレーションだ。
監督自身3作目の長編映画となるが、いずれも“家族”にまつわる物語を描いており、『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』は3つの物語を連鎖させ、血の因果を巡る“父と子”の関係を描いている。
『ブルーバレンタイン』では、一組の夫婦に限定してプライベートな瞬間を詳細に描いていくものだったが、今回の『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』では、世代もまたいで15年という長い期間、より広い関係・広い視野から描いている。そういうカンバスなので、監督自身も「こだわった」と語る、力強さ、不安、不気味さなどいろんな感情が入り乱れているかのようなオープニングは圧巻だった。ご飯何杯でもいけるオープニングです。
“The Place Beyond the Pines”とはニューヨーク州スケネクタディの英語訳で、“松林の向こう側”という意味とのことで、場所の名称がそのままタイトルとなっている。3つの物語とも松林という“場所”が重要なポイントとなっていて、スケネクタディの松林を通じて複数の家族の、父と子の想いや願望、正義や後悔がうごめいていくことになる。
ライアン・ゴズリングとブラッドリー・クーパー
ライアン・ゴズリングは『ドライヴ』で、昼はカースタントマン・夜は運び屋というワケあり男を演じたが、今作では天才的ライダー役を見事にこなした。ドライバーもしびれたけどバイクもしびれるね。銀行強盗して警察に追われるシーンはゾクゾクしました。「警察24時」的アプローチのパトカー主観のカメラワーク素晴らしかったです。
正直言って『ハングオーバー!』シリーズで泥酔しちゃうダメ男のイメージが脳裏に焼き付いちゃってるブラッドリー・クーパーなんですが、より複雑な心境や感情を抱えることになる新米警官エイヴリーを繊細に演じていたと感じました。デレク・シアンフランスも彼が出てくれなかったらこの作品を撮ることはなかったと語ってるそうです。
プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ観るよ!今日も満員です。 @ ヒューマントラストシネマ有楽町 http://t.co/iA30D1tzBx
— takasyi | roughtabさん (@takasyi) June 23, 2013
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