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映画で見る原発解体マニュアル『Unter Kontrolle』鑑賞

Unter Kontrolle

シアター・イメージフォーラムにて、原発を廃止するドイツの今を描いた98分間の見学・体験型ドキュメンタリー『Unter Kontrolle』を鑑賞してきました。イメージフォーラム、ここ最近ラッシュ気味!

原発は「悪魔のような存在」だと思われてきた。だから、事実を直視して明快な議論ができるような作品を作りたかったんだ。そうすれば僕らはもっと建設的に議論することができるだろう?

via: フォルカー・ザッテル監督

Unter Kontrolle 2

『アンダーコントロール』はすでに原発全廃を決めたドイツの関連施設や携わる人々の日常を、3年の歳月をかけて撮影したドキュメンタリー映画である。監督の“事実を直視する”という意図がダイレクトに届く内容で、これが地球上のものとは思えないくらいの無機質な施設内部や精密機器の数々に、時にうっとり見とれてしまうことすらあった。その世界からふと帰ってきて、これは原発なんだという事実を思い起こされた時の感情の起伏は大きい。

原発推進でもない。原発反対でもない。あくまでもフラットな立場で制作したんだなと感じられるけど、最新技術を持ってしても巨大なエネルギーを管理していく困難さ、一度動き出した原発を廃炉にする困難さ、地下600mに貯蔵されている放射性廃棄物の姿、無人の施設に不気味に鳴り響くサイレンなどなど、圧倒的な映像力で語りかけてくる。

Unter Kontrolle 3

一番印象的だったのは、カルカー高速増殖原型炉が1991年に計画中止となって、今ではワンダーランド・カルカーという名で遊園地として利用されていて、子供たちが冷却塔の中にある空中ブランコで遊んでるシーン。これは何を物語っているのか。どう理解すればいいのか。

とにかく、映画館を出たあとには、たくさんの人の目に触れるべき作品で、自ら足を運びお金を払ってでも見るべき映画なんだと強く思いました。

category

Movie

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