聖地新生ウェンブリー・スタジアムでのチャンピオンズリーグファイナル。ともにこれまでの対戦成績は3勝4分3敗。どちらかが勝ち越すことにもなるこの一戦は、決勝の舞台でここまで差が出てしまうのか、というくらい力の差がくっきりと出て、バルセロナが4回目の欧州王座となりビッグイヤーを掲げる結果となった。
前半の立ち上がりこそユナイテッドはいかにもイングランドのチャンピオンらしい、激しさを前面に出した入り方をした。バルセロナのサッカーに対して5バックに近い3バックを敷いてくるのではないか、という予想も飛び交っていたりしたものの、19回目のプレミアリーグを制覇したその勢いそのままでバルセロナにぶつかっていった。
このファイナルで現役を引退するファン・デル・サール、37歳でひとつポジションを下げたセンターハーフでプレーするギグスの輝き、大舞台に強いルーニーももちろんだが、何かそれに近いオーラを醸し出してるように感じるチチャリートの飛び出しなどに注目し、ユナイテッド寄りで観戦してたが、そんなユナイテッドを手玉に取るかのように10〜15分足らずで"慣れ"て、"いつも"のバルセロナがその後は終始ゲームを圧倒する結果となった。
90分を終えてユナイテッドが放ったシュートは3本。ルーニーの同点ゴールが唯一枠に飛んだシュートとなり、ほかはバルデスを脅かすことすらできなかった。これはベスト16をかけた戦いでカンプ・ノウでアーセナルがシュート0に抑えられた内容にかぶるものもある。後半のユナイテッドはそれこそ98-99シーズンのチャンピオンズリーグ決勝、ロスタイムにシェリンガムとスールシャールが立て続けにバイエルンゴールを奪って大逆転勝利を飾った「カンプ・ノウの奇跡」と称される出来事に匹敵する"何かしらの奇跡"が起きもしない限り勝機はない、と感じるまでにコーナーに追いやられボコボコにされた。それでもスコアが3-1だったのはファン・デル・サールが自分の出来る仕事を最後までしっかりこなした結果だろう。
マンチェスターにいる間の私の経験の中ではバルセロナは最強の相手だよ。それは誰もが知っていることだと思う。
via: アレックス・ファーガソン
あんな風に負かされては、そう考える以外にないし、私はそれを受け入れている。
しかし、それに関しては誰も逃げ場を与えてくれない。彼らにはこれまでになく素晴らしい瞬間だっただろう。正しいやり方で戦い、また彼らはサッカーを楽しんでいた。
まずファーガソン監督のお言葉に感謝します。
via: ジョゼップ・グアルディオラ
このような監督と肩を並べて今日のタイトルを獲得できたことは、僕たちにとっては最高の名誉です。
彼らの価値、質の高さを示し、僕らのチームについてこのようなことを言ってくれる。
僕たちにとってこれ以上の褒め言葉はありません。心から感謝の気持ちを表したいと思います。
ペップもそう長くはいないであろうこの最強のバルセロナはこの先どう進化していくのだろう。世界中のフットボールファンの焦点はほぼそこに当たっている。
Barcelona 3-1 Man.United
- ビクトール・バルデス、ダニエウ・アウヴェス(88' プジョル)、マスケラーノ、ピケ、アビダル、シャビ、ブスケツ、イニエスタ、ビジャ(86' セイドゥ・ケイタ)、メッシ、ペドロ(92' アフェライ)
- ファン・デル・サール、ファビオ(69' ナニ)、リオ・ファーディナンド、ヴィディッチ、エヴラ、バレンシア、キャリック(77' スコールズ)、ギグス、朴智星、ルーニー、ハビエル・エルナンデス
- 得点者
- 27' ペドロ(BAR)、34' ルーニー(MAN)、54' メッシ(BAR)、69' ビジャ(BAR)
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