もうすぐロードショーが終わりそうということで『WALL-E』を六本木ヒルズのTOHOシネマズで鑑賞。上映回数なども縮小されてたけど、チケットは完売でした。
見事ですねPIXAR。単純に「ウォーリーかわいい」だけじゃ済まないエンターテイメント性たっぷりな作品となってました。誰もがすぐ見て取れる消費社会やゴミ問題からくる環境破壊などのテーマをたっぷり盛り込みながら、過去の作品へのオマージュやパロディ(マトリックスとか2001年宇宙の旅とか)も登場してきて、主人公のウォーリーがあのビジュアルと音声ときたら老若男女が興奮しっぱなしなんじゃないでしょうか。
特に前半で700年間ひとりぼっちで働き続けるウォーリーの日々の行動を淡々と、かつほぼサイレントの状態で流すシーンは圧巻でした。グッと引き寄せられたあの冒頭の数十分ですでにお腹いっぱいになりかけた。
PIXARといえば会社紹介のムービーとして登場する電気スタンド(PIXARの「I」を押しつぶしちゃうヤツ)の印象が強かったりするんですが、ウォーリーの目(というかカメラというか)がその電気スタンドとたまにオーバーラップしたりして、そんな愛くるしい瞳で見つめられるともうたまりません。結局イヴもそこに惹かれていったんじゃないかなー。
後半で登場してくる汚れているものを見つけるとキレイになるまで執拗に追いかけるM-O(モー)が、今まで自分の軌道は外れたことないのに殻を破って自ら軌道を飛び出しちゃうシーンは、ウォーリーの周辺には気付けば幸せが舞い降りるというエンディングにかけての重要なシーンかなと思って印象的です。
そしてアップルファンにはたまらない演出。第2か第3世代くらいのちょっと前のiPodをウォーリーが見つけてきてそれで曲を聴いてたり、自分自身の起動音がMacの起動音だったり、真っ白でピカピカのイヴのデザインは現行のアップル製品を手がけるインダストリアル・デザイン・グループのジョナサン・アイブさんということで、あの質感を見れば2世代くらい前のiMacやiPodを思い浮かべちゃいます。
ソーラーで充電し、必要最低限なメンテナンスで済んでひたすらゴミだけを片付けるというシンプルで原始的なウォーリーとのコントラストが光ります。
エンドロールも非常に凝っていて、あれを観ないで劇場出ちゃう人たちが信じられませんが、いままでのウォーリーたちの話をダイジェストでドットっぽく描いてます。
また『WALL-E』本編の上映前に流れるショートムービー『PRESTO』で一笑いさせちゃう力の入れようも必見です。
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