今日から公開のブラザーコーエン「ノーカントリー」を観てきた。楽しみにしてたんですがコレやばすぎた。めちゃヤバすぎた。(以下ネタばれ含みます)
まずはあの疫病神みたいなシガー(ハビエル・バルデム)の立ち居振る舞いがハンパない。もう脳裏に焼き付いちゃってしょーがない。最初に保安官を殺すシーンの顔なんてきたらまぁ。夢に出てくる。
コーエン兄弟は作品に出てくる人物のヘアスタイルにも凝ることが多いけど、いままでの中でダントツ1位だよ、あの髪型。
そしてショットガンに空気圧縮の威力をプラスした武器が破壊力抜群でむちゃくちゃ怖い。なんでまぁそんなものを作っちゃったんだか。音も怖い。息をのむシーンがいくつあったことか...!ユーモアがなくておしゃべりが下手くそとか、シガーの設定周りだけでも腹八分目みたいなところもあるなぁ。
一見はひょんなことから大金を手にしたテキサスでウェスタンなモスが、圧倒的な存在感で迫り来る殺人マシーンシガーをかいくぐり、なんとか街から出ようとする逃亡劇のように感じるところもあるけど、いろんな「死」との出会いを提示し、そこで人間はどう立ち居振る舞うかっていうところがちゃんと見えてくる。ベル保安官=観客とすると、シガーは自分たちではどうしよも出来ない突然起こる大災害のように思える。コインの裏・表ですべて決めてきたっていうところもそう思うことに拍車をかけてる。
ラストのベル保安官の夢の話。いままで見てきた話から出てきたそれぞれの想いに対して問いかけてるように感じたし、そのままフワッと幕が閉じる趣向がまた印象深い。
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